真夜中の古都マヨナカノコト
コトは、今日も夜を待った。
こんばんは。
ソレが彼女の挨拶。
夜更けにカラスが行商に遣って来る。
お陽さまの欠片を売りに来る。
キラキラ、キラキラ、口に含めば七色の味。
時計塔が
澄んだ空気にメロディ織り込み、歌い出す。
夜空に散らばる星々を
掃き集めたら、夜が明ける。
コトは、
くださいな。
それが彼女の楽しみ。
夜明けにカラスは消えてゆく。
自分の"影"の欠片を集めて消える。
おやすみなさい、またあした。
彼女の仕事は、おソラの掃除。
光に憧れ、生きている。
彼女の仕事は、おソラの掃除。
星は今日もコトの為に、
そう、彼女の為に散り散りに成る。