物語詩「cards」
episode 02
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背後から、その侵食は始まった。
気が付けば"巻き込まれてる"より、
"巻き込んでる"側に居た。
強さだけが正義だ、と。
そう云うしか生きる術の無いこの集団の中で、
何を"理由"にして、私は生きようとしている..?
大切なモノさえ、忘れた。
守るべきモノなんて、知らない。
笑い合える仲間が
自分が何故存在するのかも、分からないまま。
生まれてくる恐怖は、誰が導いた?
神聖に見えるその導師は、ダレが化けたモノ?
人々に恐怖を植え付け、
助けるフリする者たちよ。
背後から、侵食は始まった。
気が付けば、今と昔と..
どっちが"本性"だったか分からなくて。
迷ったのではなく、見失った。
探すよりも、新しく創り出す方が
どういうワケかマシな気がした。
背後から侵食が始まり、
今の私はただの逃亡者。
同じ
仕組んだのはダイヤのJ。
その正体が
ヤツを見つけて理由を吐かせても、
結局のところ何一つとして解決しない。
犯した覚えの無い罪は、
他の誰にも証明デキず..。
分かっているから、嗤ってる。
知っているからこそ、ヤツは嗤う。
笑いたければ、笑えば良い。
その声を頼りに、私は
その"番外"という称号を奪ってやる。
その貼り付いた笑みを剥がしてやる。
"絵付き"と呼ばれる理由を、見せてやろう。