2025.11アダマス vol.4

ご挨拶

マニア向け図書館のミョリス・テクトカ。
よろしく。

冬がすぐそこまで来ている。
ニャリス城は、ラルメニエ・ラトカイールゼ式の
地熱暖房が入っている。
マニア向け図書館でゆっくりしていくと良い。

他の連中はよく喋るが、これが俺の通常営業だ。
気にするな。

今回は、書籍の紹介を多めにした。
気になった本を手に取って貰えると嬉しい。


newface今月のおすすめ

◆経済◆
『カランデリナ・スターレット』
 ユディ・Z・マクメギストリア [著] 経新出版

  • ユディスタット・ツェテリナリカ・マクメギストリアと言えば、メディアに引っ張りだこの女性経済アナリストだ。
  • 今回は非線形ナイトメア公式に則った局所的後発アンインストール理論を語っており、非常に難解な分析を展開している。
  • 専門家でも読み解くのが難しいようで、経済界を代表する書籍に与えられるミレルレットリア賞選考でも今期最大の問題作として名が挙がっている。

◆歴史学(オカルト西洋史)◆
『ダイヤダイヤダイヤ』
 フライアント・ボードレー [著] 共振ローズ出版

  • 稀代の呪術師と名高い「ロレーヌ・ド・レェ・ダイヤ」の遺稿を纏めた本作は、ボードレーのダイヤ研究人生を総括する内容と成っている。
  • ダイヤは生前の不摂生をエテリエカルルス秒殺論争にすり替え、病で苦しむ人々から壺を騙し取りまくったタルス最大の悠久ソリッド思考型詐欺師だ。
  • みな、決して本書の内容をマネせず、清く生ヌルい人生を全うしろ。

◆エッセイ◆
『カララロッサの反駁』
 カララ・ロッサ [著] 病の友出版

  • 脳科学者でもある著者ロッサが綴る、緑化型白内障の闘病記録。
  • エッセイと言いながらも、アサルト・マティメディール理論で視覚前野の機能について説明し、読者の9割3分が脱落したという伝説の一冊となる。
  • ランプシェード障壁について、「モーメントの青く青い鳥が導く」という謎の言葉を残す。ロッサはエッセイを書き上げた後、すぐ隠居生活を始めてしまい、この言葉が一人歩きしている。

◆冒険記◆
『白銀の神霊』
 オルル・カラント [著] カラント社

  • 貧弱Lv93、HP16の登山家カラントの冬の記録。
    前回の挑戦から3年の準備期間を挟み、今回はなんと標高62メートルのルギルメチル山に挑む。登頂までの158日の日記が1冊の書籍になったものだ。
  • 付録DVDは準備から帰宅まで全てを収めた記録映像。
    寒さで肺をやられながらも、懸命に山頂を目指す姿に全タルスが泣いた..とか。
  • 今回、カラントは個人事業として出版社を立ち上げたようだ。的確列挙型の人物像からは考えられない暴挙に、スポンサーが慌てたようだ。

◆哲学◆
『不死のエレメント』
 ミヒ・ベルンヒュドラ [著] 限界ブックス

  • 良質な哲学を学びたいなら先ずベルンヒュドラから、と言われる哲学界の帝王。教壇に立つことはなく、頑なに書籍のみでエテルカリック・スロロラーナ懐疑論を説く孤高の哲学者。
  • 決して失われることのない要素について約2000頁を使った挙句、定説に行き着く定番スタイルだ。
  • つい最近になり、地下アイドル<良質パンダ>の右端・レンダちゃんの限界オタクであることが発覚。これまでの人物像からかけ離れた趣味に、全思想家が砂を吐いたとか。

◆化学◆
『オルドシークの仮面』
 デァレットゴーン・セユリス [著] 黄色社

  • 線形ナイトメア公式を使い、新たな物質オルドシークを発見をした化学者の著書。ファキアファンタジー量子物理学者の父を超え、一族で最も有名な人物となる。
  • 狂乱オルドシークK8-sqを追い求めた37年の軌跡を惜しげもなく公表した本作には、付録としてオルドシークの構造式(広げると4㎡のリーフレット)が付いている。

◆文学◆
『エルドナート』
 イグナドゥール・レレン [著] 綿菓子書房

  • 幻の地底滝エルドナートを求める洞窟探検家の冒険を描く本作。
  • 映画化されたエルドナートは、冒険準備に終始。
    舞台化されたエルドナートは、本作の後日談。
    肝心の冒険部分を映像化できず、全てのメディアが手を付けられない、まさに幻の滝。
  • エルドナートに至るまでの冒険を知るには、本作を手に取るしかない。

◆文学◆
『希釈都市ベルンドット』
 ルフェェニエ・ララミュゼア [著] 夢水社

  • 記憶が消えていく都市ベルンドットを舞台にしたオムニバス形式の物語。
  • ベルンドットの人々の日常が淡々とあるがままに描かれ、英明共振理論による暫定閾値(イキチ)の計測も同時に実行していたという事実が、発売後に発表された。
    妄言メリメロテアの発見を本作にて発表したことも評価され、来年のメリエリット賞候補にも選出されている。
  • ルメのとある少女が、兄の為に本作を朗読している姿が目撃されている..とか。いつかルメでもベルンドットの話を聞くことができるかもしれない。

◆文学◆
『どの夕暮れまで22km 北へ』
 フレメール・ド・ララバイ [著] 幻視社

  • 4連作「こそあど」シリーズの最終巻。
    前作で師から役目を引き継いだティルレットの旅の続きが描かれた本作。
    回想ではこれまでの伏線が回収され、数々の意味不明な言動の裏が漸く語られる。
  • ここまで過去を語らなかったララリルエの正体が明かされ、碑文との繋がりや麒麟ウィンドウ理論への反駁を論点とし、人々の思惑が最大化されていく。
    永久機関の存続か廃止か、人類の選ぶ結末とは?
  • 最終的な結論としてはララバイの連作は最終巻だけ読めば良い..とも言えるが、、、
    ララバイ好きなら、ここまで引っ張る著者に付き合うのも当然か..。


sp特設コーナー

今月は「原幌(ハラホロ) 鰭晴(ヒレハレ)」と「ニャリス特集」が組まれている。
個人的趣味だ。許せ..。

名作を数々生み出し、「奇妙な画壇」「沸騰間近」「接触冷感」「オリバー・ゲルリッツの生涯」「ニェフスフィリアの長い一日」「ほうれい線の満ち欠け」等が有名だ。
特に「メランコリックタワー」は権威あるメリエリット賞を受賞している。

今年の始め「実は三年前に亡くなっていた」という悲報が発表された原幌。
しかし、それ以上に世間に衝撃をもたらした話題は「実は本名」という予想の斜め上をいく続報。
幼い頃から山奥の一軒家に暮らし、家庭で教育を受けてきた原幌。家族以外と関わることなく、本だけで世界を知った彼だからこそ書けた名著の数々。
作品の全てに共通する浮世離れした主人公と、ぎこちない人間模様は、完全なる想像によって産み出された究極の妄想だ。
巷で「VR作家」と呼ばれた実力を、ぜひその目で見て欲しい。



マニア向け図書館では年末が近くなると、ニャリス・セーテアを特集している。
ここでは、俺の監修した対談を書籍化したものを紹介するが、本館では多くのニャリス関連書籍を特設コーナーに纏めている。
彼女の業績や言葉を知りたい者は、ぜひ足を運んでくれ。

対談記録『失われた陸橋地∶そして進化のほとぼりが醒めるまで』。
短い詠唱を連結するルメの「騙り語り」シンカ女史と、タルス唯一の「浸透技術者」ニャリス・セーテアによる夢の対談が実現。
二人の一話完結型哲学問答は、謳歌哲学より派生した論争に終始する白熱した対談となる。
お互いに肯定しているようでどこか噛み合わない不条理に、当時の世論は二分された。
結果論に傾きがちなタソガレ構造を内包しつつも、精緻な輪廓を描き出す良書として一世を風靡したものだ。
二人の切り口にも、それぞれのスタイルが垣間見えて面白い。


letter利用者の声

  • 『となりの図書館』を見て来館。凄かった。
    (神隠れさん)
  • 名作の予感..『エルベデリシオン』(落花生さん)
  • ディザーリを読んで、数学の道に進むことを決意。
    (爽快感さん)
  • 映画「ミミミレム・ルリンルルの冒険」観た!
    (本好きの祖さん)
  • 迷妄のシャリスシリーズ、読了。(めーもーさん)




  • 前回紹介した『となりの図書館』を見て来館してくれた人数が1000名を突破した。
    タルス在住のみな、そしてルメより来訪する者たち。この城に立ち寄る際には、ぜひマニア向け図書館の秘密の扉を探してくれ。

info各種お知らせ

★発見・回収のお知らせ★
今月の発見・回収の連絡はなかった。
引き続き、迷子本の捜索に尽力してくれ。


★迷子本のお知らせ★
今月の迷子は2件だ。
チョコレート博士宅の『義理とギリギリの境』。
ル村の(ダイヤ)(キング)宅の『MAXリーダーへの道』。
見掛けた者は、マニア向け図書館まで連絡を。
そして頼むから、書籍はちゃんと管理してくれ..。



■ 発行: マニア向け図書館
◇     (協力:城外分館IfeignDe@th)

◇ 所在地: フェイタル・スウェア 城4F納戸奥
■      マニア向け図書館 本館

■ 連絡先: 0120-220-mania-8186
◇     (※固定クロ電話からのみ可)

◇ お便りはメールフォームにて承ります。
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