八番目の竜ハチバンメノリュウ
私は 八番目に生まれた
世界の 水の底に溜まる
前傾の姿勢で 私は轢かれた
痣が竜の形を
血の色が熱を帯び
あなたが私に近付いた
私は 八番目に生まれ
世界の 空の上に昇る雲竜
前傾の姿勢で 私は惹かれた
あなたが私に近付き
私は 八番目の詩を詠んだ
ソレは 秋の暮れに書いた思慕
前衛の辞世で 私は別れた
私は焦がれた ただ一度
八番目に出会った あなたに
あなたに――
そうして別れを告げた