虚空の羽コクウノハネ
与えられず 虐げられ
光より遠きに在りし身で
君を 疎ましく思った
過去に遂げられなかった自分が
手を振るから
空に打ち捨てられた
彼の人は 月と呼んだ
君が広げた その羽に
この背を預けよう
沈まぬよう 打ち続けた
あの日の葵は
雨の
夕暮れ昇る煙でさえ
言葉もないのに
花よ 尽きる命に重ねて
傾きし 我が心を
その
どうか守り給え
空に打ち捨てられた
彼の人は 月と呼んだ
君が広げた その羽に
この背を預けよう