2025.05アダマス vol.2
ご挨拶
待たせて済まない、
図書館便り「アダマス」の5月版発行だ。
今回は、司書ェアが務めさせて貰う。
既にタルスを旅した者であれば
俺のことは当然知っていると思うが、
ニャリスと同じ第一世代で、地理学者をしている。
当館で滞在しているかのような
楽しさを伝えられるよう案内させて貰う。
裏話を始めると今後の展開に支障が出るので、
タルスの近況報告で許して欲しい。
最近のタルスでは特に料理本が人気で、
恋愛本よりミステリー本が流行っている。
タルスには悪意無く危険な場所もあるので、
公開している地下世界マップも見て欲しい。
ところで、ルメでは温暖化が進んでいると聞く。
春だというのに、既に気温は夏に近いらしいな。
タルスでは海上教育委員会の指導で、東方海域の重鎮たちが
海水温の最適化をしてくれているのだが、
そちらには、そういった全土監視機関は無いのだろうか?
リョセルも彼らには手を焼いているようだが、
決して悪い存在ではないのだ。
あまり好かれる連中ではないが、嫌わないでやって欲しい。
では、今月の新刊を紹介していこう。
メトロと違ってジャンルが偏っていると思うが、
自分のオススメということで容赦して欲しい。
newface今月のおすすめ
◆化学◆
『世界のゲルニュー』
マカローニ・マローリ [著] 粉々モンシロ出版
- 世界中で浅く広くマニアだけに知れ渡る
希少糖「ゲルニュー」を使った料理本。 - しかしどういう意図があるのか..
素材リストと完成写真だけで、詳しいレシピは
何一つ載っていない超難解本だ。
まさに「究極のグルメ」にしか本当の味を
再現できない仕様と成っている。
◆哲学◆
『ルサ』
ダグラス [著] アサルトブレイン
- 世界的に有名な彫刻作品「戸惑いのルサ」を題材に
反仮想に於ける内宇宙と乖離主義的カップケーキの
関係性を突き詰める話題作。 - 本書は「6歳児でも分かるシリーズ」第9弾。
◆数学◆
『立方体を作るペンギン』
オルル・カラント [著] 戒厳出版
- 製氷機の中で超自然的に起こる
内宇宙エレクトリック・プラズマティカ現象を例に、
抽象六面体の複合的ランドマークを探る。
三次元ニアミストランザクションの崩壊と形成に
ついてのプレマニアック考察が売りの一冊。 - 12次元マーシャルの基礎となるフェムトセル方程式を
用いて解き明かす演算パズル付き。
これが理解できれば、就職に困らないとされる
能開本の頂点に立つ書。
◆文学◆
『その円錐より26文字 南へ』
フレメール・ド・ララバイ [著] 幻視社
- 4連作となる「こそあど」シリーズの第2巻。
前作「この玉」の続編であり、5年後を描いた作品。 - 革命優先主義者と穏健維持派の対立による
思想環境汚染がテーマになっている。 - 予言者の寝言を発端に急浮上した
救世主とも言うべき「未来を変える者」とは? - 本作は不肖ェアが、地理学者として監修を
務めさせて貰った経緯もあり紹介させて貰った。
◆資格◆
『塩分のエンブレム』
ニネット・ニーニャ・ニルニフェニア [著] 按分社
- 資格取得界隈でその名を知らぬ者なし、
N・N・ニルニフェニア(通称ニニーニ)の新書。 - ウルトラケミカル伝承を下敷きに、
摂りすぎと採らなさすぎの二律背反を叙情的に綴る
反則スレスレの簿記試験対策本。 - これ一冊での勉強で合格するのは
到底不可能とされるが、挑戦者は後を断たない。
sp特設コーナー
今月は「メフィルニィィ・メリエリット」特集だ。
権威ある賞の由来となったタルス随一の
マルチジャンル作家でありながら、
ほぼ空想と思い込みで書き上げるスタイルは
後世の作家に多大な影響を与えている。
ドーリィ城2F廊下の床で執筆をし、あまりの集中力に
飲み食いを忘れた末の脱水症状と栄養失調で、
惜しくも早逝した..との伝説が残る人物だ。
因みに我々は本人と面識があるが、、、なんというか、その..
予想のナナメ後ろに飛び込むおかしな男だった。
しかし、間違いなくタルス第一世代を代表する作家で、
ニャリス・セーテアに記録の重要性を説くなど、
まさに歴史と文明を後世に伝えるキッカケとなった存在だ。
因みに「メリエリット賞」とは、
マニア向け図書館独自の最も古い文学賞であり、
文壇の異種格闘技戦を制した書籍に与えられる栄誉だ。
年間最優秀とされる中から選抜されるこの文学賞は、
一度の受賞で30年は食い繋げるとも言われている。
当館へは一年を通して多くの感想が寄せられるが、
審査員の裁量でそれらの声も加減点に反映されるという。
また、審査員の人選については固く秘匿されている。
こういったブラックボックスが放置されている状況も、
タルス特有の「伏線」なのかもしれないな。
ではここで、今年のメリエリット賞の候補について、
当館に寄せられた読者の声を紹介したい。
そろそろ
今年は『とある令嬢の
感情描写だけで200ページを超えながら、
これだけ内容が薄い作品も異例。
(雨乞いプロフェッショナルるてるてさん)
ユバルノヴァル・ハバル・ニバル推しニャ!
往年の検証学者さんなのニャ~。(にのるさん)
今回こそ、ツェテニア・クランシュルツでは?
書評家から転身した迷作家をもっと評価して欲しい。
とにかく「重厚」の一言に尽きる。(ししゃも犬さん)
個人的には、巨匠の『エタノールの反乱』か、
新人の『遅れてきた辛酸』に取って欲しいところ。
AI反乱は、次代を超える不朽の題材だと思う。
(ロルロルロールキャベツさん)
まだ上半期も終わらぬ中、
既に多数の名作が挙げられている。
特に処女出版が多いように感じる本年ではあるが、
それ故に古参の作家の素晴らしさが際立つ。
とは言え、下半期に出版予定の書籍はまだまだあり、
期待を集める続編も秋の終わりに滑り込んでくる。
読者の声は受賞を左右する大きな力だ。
引き続き、作家・作品を推して欲しい。
letter利用者の声
- アーディン・ターシエの新刊は名作。
主人公が殴り合うシーンは迫力が違う。(爽快感さん) - 飛び出す絵本入れてくれて、ありがとな!
次は4K絵本も面白そうだな。(本好きの祖さん) - 姪と一緒に本を借りにきました。
広すぎて4日ほど迷子になりましたが、
館長さんが探しに来てくれて..。
その節は、本当にお世話になりました m( _ _ )m
(やっとやっとやったー!休日さん)
- 当館は、城内の者も多く利用している憩いの場だ。
また、遠くから足を運んでくれる利用者にも、
司書一同、心から感謝している。
今後もマニア向け図書館、並びにグルダム王立書庫の
利用を待っている。
-
ルメの皆様のご意見・ご感想もお寄せください。
ご意見はルメ分館IfDのメールフォームにて
lott今月のクジ
【220-a.83 24:01】
上記の暗号を解読して、該当する図書を探して下さい。
解答は次回の図書館便りで発表します。
win先月の当選クジ
『迷走BIMの秒速構造理論』
→ 南97通路、地下300階
→ 利用不可の札62番、タッチパネル00号
→ 上記4箇所に設置したポップに記載された書籍
当選者は、図書館カードを持参して下さい。
事前に御希望頂いていた粗品を進呈します。
info各種お知らせ
★発見・回収のお知らせ★
ユーシュミーさん宅の『迷子の鯉』が
この度無事に発見されました。
新しく出来た井戸の近くにいたそうです。
回収に至るまでの、皆様のご助力に感謝致します!
★迷子本のお知らせ★
インク壺の精の個人書架から『礼讃記』が神隠しに..。
お心当たりの有る方は、当館まで情報をお寄せ下さいませ。
奥付ページに、インク壺の精の手形染みがあるそうです。
■ 発行: マニア向け図書館
◇ (協力:城外分館IfeignDe@th)
■ 所在地: フェイタル・スウェア 城4F納戸奥
◇ マニア向け図書館 本館
■ 連絡先: 0120-220-mania-8186
◇ (※固定クロ電話からのみ可)
■ お便りはメールフォームにて承ります。
◇ メアド不要、ハンドルネームでご投函ください。