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序文

地下世界を創造した女神から話は始まり、
後世で"伝説"、"偉大"と称される
ニャリス・セーテアの一生を通して
世界の成り立ちと推移が語られます。

主人公:ニャリス

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is00舞台袖:起

世界に名前を付ける理由を、
キミは知っているか?

世界のアレコレを決定する権限を持つのは、
一体誰なのか?
最初(ハジメに神を "ソーゾー" したのは誰なのか?
他人の列車を強奪(ジャック)して
ゴールを目指すのは、詰まらない人生か?
自分以外の意思を排除し、
(スベて自分だけの意思に拠って生きるコトが
最善の人生だと思うか?

この『2つ目のお話』は、
世界の始まりを宣誓した人物から始まる。
彼女は、存在した瞬間から
多くの事柄を把握していた。
亡くなった彼女こそが、
この世界の絶対神だった。

彼女の娘として、
私は最初から "明確な目的" を持って行動した。
そうやって決定された通りの日々を辿り、
この命を全うしたけれど――

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is01第1幕

  • 第1幕 「真実は落書きより適当ナリ」

  • 第1章 「なんとも、まぁ..」


    お粗末なもので、(ワタシ)は子どもの落書きから生まれたコトを知った。

  • 第2章 「(ワタシ)はゴミか、藝術か?」


    暫く部屋に飾られていた(ワタシ)は、気付けば灰に成っていた。

  • 第3章 「其処は底だ、(ワタシ)はドーリィ、と勝手に決める」


    目覚めた(ワタシ)は、かつて存在した世界に似せて、其処を造り変えた。

  • 第4章 「世界の摂理を書き綴る1 〜序文〜」


    書き出しは、いつかコレを読む "ダレカ" に宛てた手紙仕立てにしてみる。

  • 第5章 「世界の摂理を書き綴る2 〜世界の名〜」


    (ワタシ)は "fatal swear" と名付けたこの世界と、運命を共にする。

  • 第6章 「世界の摂理を書き綴る3 〜水と風と天孔(アナ)〜」


    愛してくれる存在、希望を(モタラす存在として位置付けた。

  • 第7章 「世界の摂理を書き綴る4 〜山と森と沼と精〜」


    少しだけ意地悪な存在も、きっと必要。

  • 第8章 「世界の摂理を書き綴る5 〜命を描く〜」


    初めて描いた動物は蛇、、、どんな(カタチ)でも(ワタシ)にとっては大切な命だ。

  • 第9章 「世界の摂理を書き綴る6 〜自画像〜」


    手馴れてきた(ワタシ)は気紛れで、似もしない自画像を描いてみた。

  • 第10章 「世界の摂理を書き綴る7 〜息を休める日〜」


    今日くらいは、休日ってコトにしよう...おやすみ。

is02第2幕

  • 第2幕 「銀色の(シオリ

  • 第1章 「突然だが、細かいコトは気にするな」


    気が付けば、私は存在していた。

  • 第2章 「神の書斎にて」


    どうやら...神が『書』を閉じてからが、この世界のハジマリらしい。

  • 第3章 「創界(ソウカイ)の女神、ドーリィの宣誓書」


    序文は、私宛ての手紙だった。

  • 第4章 「序文1」


    『アナタの生きる此の世界の名は、フェイタル・スウェア。由来は――』

  • 第5章 「序文2」


    『庇護者として生きるならば、より良き未来を約束しましょう』

  • 第6章 「序文3」


    『FROM ドーリィ ~紙屑より生まれし創世者~』

  • 第7章 「私は、静かに本を閉じる」


    不躾な親も在ったものだ。...けれど、何かが私の後ろ髪を引いた。

  • 第8章 「セーテア、何をしているのです?」


    そうだ、私たちは引越しの準備をしていたのだった。

  • 第9章 「住人が増え過ぎた(ウチ)に、(ミナ別れを告げる」


    私たちは、其々(ソレゾレに適した住処(スミカ)を求め、散っていった。

  • 第10章 「住めば都とは違う、ソレは天命という名の意志」


    誰にも見つからないよう遠回りして、私はドーリィ城に戻って来た。

is03第3幕

  • 第3幕 「庇護者生まるる瞬間に」

  • 第1章 「世界に名前を付ける理由」


    考えるまでもナイ。単に、此処ではない世界(ドコカ)と区別する為だ。

  • 第2章 「再び書を開くは、天命ナリ」


    続きには、ドーリィの私的な思い出が綴られていた。

  • 第3章 「3-1項;第一世代」


    彼女は私たちを慈しみ、子である私たちは彼女を親として慕った。

  • 第4章 「4-9項;未来に訪れる日を逆算」


    誰に云われるでもなく、ある日姿を消した彼女の死を理解したのは何故だった..?

  • 第5章 「5-21項;定数(ジョウスウ)


    城には子ども達だけが残り、自然の摂理に従って増えていった。

  • 第6章 「6-6項;神は死んだ後に神と成る」


    ドーリィを知らぬ次世代は、やがて彼女を "神" と崇めるのだろう。

  • 第7章 「7-2項;コマンド集」


    袋綴じには、"裏技" と呼ぶべき知の結晶が掲載されていた。

  • 第8章 「8-300項;迷い人 ←」


    『汝、その手を取れ』

  • 第9章 「我に(イカズチ)下れり」


    直観(チョッカンより遥かに曖昧な...じわりと私を侵食する直感(チョッカンだった。

  • 第10章 「かくして私は、天命を全うする為の旅立ちの準備を終えた」


    全員で城を出たあの日から数えて、100年が経っていた。

is04第4幕

  • 第4幕 「外界」

  • 第1章 「無知なる希望と引き換えに」


    城外の空気は、第一世代(ワタシタチ)に合うように出来てはいなかった。

  • 第2章 「集落north」


    其処には既に、私と同世代の者は存在しなかった。

  • 第3章 「草の根の使い途」


    冷遇に慣れてしまえる程、私の意志は固いものだった。

  • 第4章 「生温(ナマヌル)い匂い」


    遠く...家々から漏れ出る灯りが、人々の正常な発展を物語る。

  • 第5章 「集落east」


    街道を渡った先でも、私の知る者は一人も居なかった...

  • 第6章 「その山脈の名は」


    ドーリィより(メイ)を受けた我が友、イィリス・リギを讃えて付けられた。

  • 第7章 「夜空に捧ぐ送り火」


    山頂付近の管理小屋で、クァリス・テダルと寂しい際会(サイカイを果たした。

  • 第8章 「集落south」


    麓の集落には立ち寄らなかった。結果は見えている...

  • 第9章 「消えぬ火を求めて」


    今日は随分歩いたが...それでも、私は歩いた。

  • 第10章 「集落southの外れの森で」


    聞き慣れない声が、私を呼んで――

is05第5幕

  • 第5幕 「人ではない生命の、そのカタチ」

  • 第1章 「生命(イノチに酷似した家」


    声の主は、"生命をそのまま象った" ような姿だった。

  • 第2章 「不安に打ち震える」


    その家の心は、"この世に孤独(ヒトリ)" である不安に蝕まれていた。

  • 第3章 「フクロウが一晩に2万回鳴く理由(ワケ)


    嘆き続ける家の為に、フクロウは今晩も話し掛ける。

  • 第4章 「淡色平原の病と、拡大する不孝者の狂気」


    漂う不穏な狂気によって、淡色平原が端から腐り始めていた...

  • 第5章 「イスァティリス・キィ 〜3つのうち、最初のセーテア〜」


    狂気の糸を手繰り進むと、私と同じ顔の残像と目が合った。

  • 第6章 「自ら不孝者の道を選び取った、幽冥のゼロ世代」


    生まれながらに稀薄だった彼女は、神より先に逝くことを決めた。

  • 第7章 「孤独(ヒトリ)を選択した者の末路 〜3つのうち、2つ目のセーテア〜」


    彼女の名は一陣の風に記されていて、孤独に紛れていた。

  • 第8章 「署名(サイン)の受け取り手は、3つのうち最後のセーテア」


    私は二人から受け取ったセーテアの名に、諦めを見た。

  • 第9章 「消えぬ火花が、胸に尽きず」


    私は確かに今、此処に一人かもしれない。...それでも私は。

  • 第10章 「目指すべき始まりの場所(スタート・ライン)、集落west」


    為すべきコトが、今やっと全貌(カタチ)を見せようとしていた。

is06第6幕

  • 第6幕 「使命の発露」

  • 第1章 「帰還」


    外の調査を終えた私は、一先ず生家で休息を取るコトにした。

  • 第2章 「囁き声の導き」


    夜な夜な呻くような溜息が聞こえて...

  • 第3章 「隠されたマニア向け図書館」


    納戸の扉のウラ側に、更に扉があった。

  • 第4章 「第一世代による空想技巧会議」


    議長は、私も良く知っているキスェリス・メトロだった。

  • 第5章 「ハゥリス・ェアによる挙手」


    変人4人組は、引越しそっちのけでバカげた会議を続けていた。

  • 第6章 「ツォリス・ラトファーィヤの発言」


    会議場に踏み込んだ私は、何故か断罪されるコトとなった。

  • 第7章 「ミョリス・テクトカによる提案」


    彼らの長年に渡る "知識への渇望" を癒すコトが義務付けられた。

  • 第8章 「『金属について』」


    彼女から「翻訳してくれ」と渡されたのはラテン語の本だった。

  • 第9章 「書に記された使命を果たす為の、第一次整備計画」


    私は妙案を思い付き、彼らに協力を仰いだ。

  • 第10章 「交渉の旅」


    私が戻る頃には、四人も設計図を完成させている筈だ。

is07第7幕

  • 第7幕 「公共事業(パブリック)

  • 第1章 「移動手段としての――」


    鉄の車輪の図案を携え、再び集落northへと向かった。

  • 第2章 「交渉1・問題点は暖房対策にある」


    滅多に使わない知識が、光明となるコトもある。

  • 第3章 「最北端の発着所を」


    集落eastの広大な台地には、目印となる看板を立てるべきだ。

  • 第4章 「交渉2・村のリーダーに最も必要なモノ」


    王を名乗る "(ダイヤ(キング)" に、村での権威を与えた。

  • 第5章 「技術者集団による整備計画」


    人の道と車輪の道、2つの工事を依頼する為、集落southを訪ねた。

  • 第6章 「交渉3・レョレョ街道改名権」


    見返りとしての約束が、契約に成る時。

  • 第7章 「最南端の発着所」


    旅の途中で、車輪の乗り場は最低でも二つ必要だと判明した。

  • 第8章 「交渉4・早くて、美味くて、安い店が有れば...」


    集落westには、料理が苦手な人々が多いらしい。

  • 第9章 「召集」


    4つの村の工事主任が到着し、ドーリィ城での会議は始まった。

  • 第10章 「立案者による着工挨拶」


    総責任者として、"博学なるセーテア" が正式に表舞台に立った。

is08第8幕

  • 第8幕 「使命感(モチベーション)の行方」

  • 第1章 「其々の使命」


    技術と思想を携えた監督者を連れ、工事主任たちは村へと戻った。

  • 第2章 「鉄の車輪担当 → 集落north / キスェリス・メトロ」


    私の翻訳した書籍が、メトロの蒸気機関設計に活かされたようだ。

  • 第3章 「北端の発着場担当 → 集落east / ハゥリス・ェア」


    ェアの発案で、北の発着場はノヘ、南はメダと命名された。

  • 第4章 「南端の発着場担当 → 集落west / ツォリス・ラトファーィヤ」


    ラトファーィヤの進言により、自動販売機(ベンディングマシン)の設置が決定した。

  • 第5章 「二種の道担当・集落south」


    整備技術に関して、彼らに口出し出来る者はなかった。

  • 第6章 「城に残ったミョリス・テクトカは、地図を広げた」


    「セーテア、(スナヘビの沙漠で浸透実験をしてみないか?」

  • 第7章 「第二次整備計画と、グルダム国王・ルジダ」


    私の主導で沙漠浸水推進計画が始まった。

  • 第8章 「偉大なる浸透技術者」


    コマンド集に助けられ、実験は成功。グルダムは大きく姿を変えた。

  • 第9章 「ドーリィ城への帰り道、私は疑念に囚われる」


    何もかも上手くいっているのに...

  • 第10章 「突発的愚行に活路は有るか?」


    私は使命を貫く生き方に迷った挙げ句、フラリと道を(れてみた。

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  • 第9幕 「庇護者、覚醒する瞬間に」

  • 第1章 「千年という月日を費やし、歩き回る森をアテも無く彷徨っていた」


    此処は移動する森、通称・歩き森と呼ばれている。

  • 第2章 「ココんトコ、随分と騒がしくないかい...?」


    「ソレ良いね、今日から騒ぎ森って名乗るよ」

  • 第3章 「悪いんだけど、(ツイ)でにもう一つ助けて呉れるかい?」


    森で、木の根を(カジる子どもを見つけた。

  • 第4章 「8-300項に曰く」


    握った手は温かく、ケガは無し。どうやら空腹ってだけのようだ...

  • 第5章 「迷子の少年」


    名乗りもせず、身の上も話さず、黙って項垂れているだけだった。

  • 第6章 「ミョリス・テクトカの意見を聞こう」


    森に放置するワケにもいかず、(ウチ)に連れて帰るコトにした。

  • 第7章 「取り敢えずリョセル」


    「此処じゃ、旅人をリョセルって云うんだ」 ...発言は無視された。

  • 第8章 「閉ざされた門の内側で」


    隣を歩く様子は、大人しいというより、不安がっているようだ。

  • 第9章 「長い長い二人旅」


    子どもを連れての旅は、思っていた以上に過酷なモノだった。

  • 第10章 「ソレは、キッカケとは云えない些細な――」


    リョセルは次第に私を信用してくれるようになった。

is10第10幕

  • 第10幕 「command input」

  • 第1章 「ミョリス、ただい......ま...」


    第一世代は試作品。他の世代よりも長く生き過ぎていただけの命。

  • 第2章 「その必然が恐ろしいのは、体験したコトが有るからだ」


    何度模擬実験(シミュレーションしても、やはり失われるモノがあるのだ...

  • 第3章 「最後のセーテア」


    留守中に届いていた村からの手紙には、作業の完了と――

  • 第4章 「探検してきても良い?」


    リョセルは本当に頭の良い子だった。

  • 第5章 「逆算すれば、泣いているヒマなど無い...」


    私は翌日から、不眠不休で作業を始めた。

  • 第6章 「旅人(リョセル)専用トクベツ街道」


    城の屋上から誰も近付かない丘陵・マジへ、天の道を繋いだ。

  • 第7章 「(スベてを見越しての布石」


    最初に世界を旅した時、マジにちょっとした仕掛けを作ったのだ。

  • 第8章 「母よ、私に背中を押す勇気を」


    そのヒトは私にとって神では無かったが、絶対的な存在だった。

  • 第9章 「途中で故障しても、立ち止まってはならない」


    私は、道を歩いていく後ろ姿から目を離せなかった...

  • 第10章 「世界に名前を付ける理由:逃れられぬ宣誓(フェイタル・スウェア)


    何かに名前を与えるという行為は、一つの愛情の形なのだろう。「これから暫くの間、キミが居ないコトを寂しく思うよ、レフ..」

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is11舞台袖:結

此処じゃ、旅人を
敬意を込めて "リョセル" って呼ぶんだよ。
一期一会でも大切な友人、って意味もある。
最初のしか云わなかったっけか..?

そっちはどうだか知らないケドさ...
アンタは、確かに私の友人(リョセル)だったんだよ。
長年、探してきたんだからね。
私はいつだって、
ちょっとだけ『左』を気にして生きてきた。

悪いね、正体も名前も最初から知ってたんだ。
世界の整備だって、私が辿り着くまで
無事でいられるようにと願っただけなんだ。
ソレが私の行き着くべき使命(ゴールで、
その為に生まれた命だった。
一緒に居た時間は短かったケド、
思っていた以上に楽しかったんだ。

大した話でも無いし、オチなんて要らないだろ?
別れが寂しいってだけで、
私の人生は満ち足りていたと云える。

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is12舞台裏

今はただ...あの子に相応しい「サヨナラ」で
見送れたと信じたい。


"ok, together! command input:left!"
by Nyaris Saytear